地域糖尿病療養指導士のコラム　「血糖高くてなぜ悪い？」

今回のテーマは、ズバリ！「血糖高くてなぜ悪い？」です。
血糖値が高くても、初期のころはあまり自覚症状がありません。
痛くも痒くもないならそのままにしておけばよいのではないか？
いいえ、放っておいてはいけません！
なぜ血糖値が高くていけないのか、それは糖尿病とその先に”合併症”があるからです。
血糖値が高いということは、血管に常にストレスがかかっている状態です。
細い血管にストレスがかかり続けると…
・糖尿病性末梢神経障害（神経）
・糖尿病性網膜症（眼）
・糖尿病性腎症（腎）
の順で合併症が発現します（し（神経）・め（眼）・じ（腎）と覚えましょう）。
この合併症が厄介で、
〇神経障害では痛みなどが感知できず低温やけど・下腿壊死の原因に。
〇網膜症は失明の原因の第2位!!（1位は何でしょう？正解は最後に。※）
〇腎症は透析導入原因の第1位!!（透析導入に至る方の約2人に1人が糖尿病からです）
つまり、合併症は日々の生活に大きな影響を及ぼします。
また太い血管がストレスを受けると…
・虚血性心疾患：狭心症・心筋梗塞
・脳血管障害：脳出血・脳梗塞
・末梢動脈疾患（PAD）：冷感・しびれなどの感覚異常
という状態に陥ります。
このように血糖値が高い状態が続くことで様々な影響を及ぼします。
いかがでしょうか？これでも血糖値を高いまま放っておくことができますか？
このシリーズでは糖尿病予防・治療中の方へのアドバイスなどを定期的にお送りしていきます。お楽しみに！

緒方孝行　（たんぽぽ薬局　地域糖尿病療養指導士）

※失明原因第1位・・・緑内障です。定期的な眼科健診が大切です。