管理栄養士コラム「秋の食材~りんご~」

今回は「りんご」を取り上げます。
りんごはたくさんの品種があり、味や大きさ、形など様々です。日本では約2,000種類以上、世界ではなんと約15,000種類以上の品種が存在します。
収穫時期は8月から11月で、品種によってそれぞれの旬があります。11月に旬をむかえる品種はふじ、シナノゴールド、王林などが代表的です。
国内での収穫量や消費量も多いため、ご家庭で手に入りやすく広く親しまれている果物です。

★栄養素について
りんごはカリウムや食物繊維、ポリフェノールといった生活習慣病の予防に役立つ栄養素が豊富に含まれており、イギリスでは「1日1個のりんごは医者を遠ざける」といったことわざがあるほどです。
ポリフェノールは動脈硬化を抑制する作用、血糖値の上昇を抑制する作用、花粉症などのアレルギー症状を抑える作用などがあると言われています。
りんごに含まれる食物繊維は水溶性で、腸内の善玉菌を増やして便通をよくしてくれる働きがあります。
消化もいいためおなかの調子を整えたいときには間食や食事に取り入れてみるといいですね。

★選び方と保存
全体的に赤くずっしりとして色つやが良いものや、ツルが太いものを選ぶのがポイントです。
太陽光をたっぷり浴びて育ったりんごは全体が赤く、糖度が高いとされています。ずっしりと重みのあるりんごは水分が抜けておらず果肉がしまっている証拠です。
保存方法については、りんごは暑さを苦手とするため冷蔵庫の野菜室での保存がおすすめです。
冷蔵庫に入れる際にはポリ袋に入れてしっかりと口を閉じた状態にしておきましょう。
りんごから出るエチレンガスが他の野菜や果物の成熟を早めるのを防ぐことができます。
常温で保管する際には直接日の当たらない涼しい所に置いておきましょう。

★調理方法
りんごの皮には、栄養素が果肉以上に豊富に含まれているため皮ごと切って食べるのがおすすめです。
りんごを横にして皮ごと輪切りにするスターカットという切り方で食べると、栄養素をむだなく摂取できるほか、皮の面積が少ないため皮が苦手な方でも食べやすくなります。
切ってしばらく経つと果肉が茶色くなってしまうため、長時間放置する場合は塩水やレモンの果汁に浸しておくと褐変を防ぐことができます。
また、りんごには果糖(フルクトース)が含まれており、低温だと甘みが増す性質があります。冷蔵庫で冷やして食べるとより一層甘みを感じることができるので、ぜひ試してみてください。

管理栄養士委員会 吉崎百華

一覧へ戻る