管理栄養士コラム「夏の食材~トマト~」

今回は「トマト」を取り上げます。
トマトは緑黄色野菜で、ナス・じゃがいもと同じナス科ナス属です。別名「赤茄子」と呼ばれることもあります。1年間を通して流通しており、冬春はハウス栽培、夏秋は高冷地で栽培されているため、旬の時期は栽培方法によって異なります。高温多湿に弱く、冷涼かつ日差しの強い環境を好むとされています。

★栄養素について 
栄養素はリコピンが多く含まれており、その他にビタミンA、ビタミンC、カリウムなどが含まれています。ピーマンなど他の野菜と比べると、含有量の少ない栄養素もありますが、一度に幅広い栄養素がとれる優秀な野菜です。
トマトに多く含まれるリコピンはカロテノイドの一種で、強い抗酸化作用を持ち、肌を老化させる活性酸素を阻害し、コラーゲンの生成を促進させる働きがあるため、紫外線やストレスから肌を守ってくれます。同様に抗酸化作用を持つビタミンCは、鉄分・カルシウムの吸収促進効果や免疫力を高めると言われています。

★選び方と保存
皮にツヤがあり、ハリのあるものを選びましょう。丸みがあってずっしりと重いものは鮮度が高い証拠です。また、おしりの部分に白い放射状の線が入っているものは熟しており甘味や旨味を感じられます。
トマトは暑さに弱い為、暑い時期は野菜室にヘタを下向きにして保存します。熟していない青いトマトや涼しい時期は常温保存が可能です。冷凍保存も可能ですが、その際はヘタを取って水でよく洗い、使う際は解凍せずそのまま使いましょう。

★調理方法
トマトに多く含まれているリコピンは油に溶けやすい性質を持っており、一緒に食べることで体内での吸収率が高まります。そのため、オイルをかけたり油で調理をするのがおすすめです。
トマトの皮には栄養が豊富に含まれているため、なるべく皮をむかずに食べましょう。加熱することで皮が柔らかくなり、リコピンの吸収率もさらに上がります。スープに溶け出た栄養をそのままいただける煮込み料理がおすすめです。

管理栄養士 南山 真利依

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