管理栄養士コラム「冬の食材~ブリ~」

今回は「ブリ」を取り上げます。
特に冬場の日本海側で捕れるブリは、春の産卵に向けて北の海で栄養を蓄えた状態で回遊してくるため、脂が乗って食べ応えがあります。
12月〜2月あたりに捕れた天然のブリは「寒ブリ」と呼ばれ、冬の味覚として有名です。

★栄養素について
ブリに含まれる栄養素は様々ですが、特にたんぱく質、多価不飽和脂肪酸(EPA・DHA)、鉄、ビタミンDを多く含みます。
多価不飽和脂肪酸といわれるEPAやDHAは青魚に多く含まれていますが、中でもブリは含有量トップクラスです。
善玉コレステロールを増やす働きや、中性脂肪を減らす働きがあるため動脈硬化の予防に役立ちます。

★選び方と保存
切り身の場合、血合いの色が鮮やかな赤色をしているものは鮮度が良く、切られてから時間がそれほど経過していない個体の目印になります。
また、身の中にもやもやとした細かい線が入っているものは脂乗りがよいブリと言われています。ブリを選ぶ際はぜひチェックしてみて下さい。
保存の際は、表面についた水分やドリップに雑菌が増殖し、臭みの原因になる為、水分は拭き取ってから保存するようにしましょう。
冷凍保存の際は、塩を振ってから拭き取ることで臭みが取れ、味も染みやすくなります。

★調理方法
ブリは刺身で食べることで熱に弱いEPAやDHAの流出もなく食べることが出来ます。
また、ブリに豊富に含まれるビタミンDには、カルシウムの吸収を助ける働きや骨にカルシウムを吸着させて丈夫にする働きがあります。
そのため、ビタミンDとカルシウムを一緒に摂ることにより、強い骨や歯をつくることが期待できると言われています。
乳製品や大豆製品といったカルシウムを多く含む食品と組み合わせて食べることがおすすめです。

管理栄養士 山 雛代

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