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【対談】在宅医療とこれからの時代の薬剤師

在宅医療と薬剤師への想い

団塊世代の全員が75歳以上を迎える2025年に向け、病院のベッド数や診療機能の縮小が検討されているなか、在宅医療の重要性はますます高まってきています。
長年、在宅医療の現場で患者さまと向き合い続けてきた小倉理事長に、在宅医療と薬剤師への想いを伺いました。


<対談者>

医療法人社団 明照会
理事長/医師 小倉 行雄 様
平成17年に開業医として在宅医療を開始。愛知県内10以上のクリニックや施設があり、治療・検査・食事の提案など、訪問医療をトータルサポートしている。

『ぬくたい手から、はじめよう』
編集・発行/医療法人社団 明照会
この絵本に登場する「大きな先生」とは、実は小倉理事長のこと?小倉先生が欠かさない握手の謎が、この絵本で明らかになります。握手を通してわかる患者さまの健康状態や、そこから生まれるコミュニケーションの大切さがわかります。


たんぽぽ薬局株式会社
執行役員 薬局事業本部 副本部長 長瀬 瑞穂
薬剤師として、さまざまな施設や患者さまの在宅医療の現場に携わる。たんぽぽ薬局の若手薬剤師の育成にも力を注いでいる。

医療は目的ではなく、あくまでも手段

長瀬執行役員:
まずは、小倉理事長が在宅クリニックを立ち上げた経緯についてお伺いできますか?

小倉理事長:
私が在宅クリニックを始めたのは15年前。
当時は、介護保険制度ができて間もない頃で、在宅専門のクリニックもあまりありませんでした。
しかし高齢化社会を迎えた日本で、私は在宅医療の必要性を強く感じ、パイオニア的な存在として徹底的に在宅医療をやっていこうと決めました。

長瀬執行役員:
在宅に関わる診療報酬制度がまだ整っていなかった15年前から、在宅クリニックを立ち上げたことには驚きます。
小倉先生が在宅医療で患者さまと接するなかで、心がけていることはありますか?

小倉理事長:
私が心がけていることは「医療は患者さまの健康を維持するための手段でしかない」ということ。
医療が目的になってしまうと、医者の独りよがりの医療になってしまいます。
病気を治すというよりも、患者さまにとって一番幸せな道筋は何かを探る。
医療というのはあくまで手段であって、その道筋をつくっていくことがわれわれの役目だと思います。

多職種と互いに高め合える関係を目指して

長瀬執行役員:
現在、弊社の複数の店舗が、小倉理事長のクリニックの医師や看護師の方々とともに、在宅医療に取り組んでいます。
薬剤師との連携については、どのようにお考えでしょうか?

小倉理事長:
私が在宅医療を続けてきた15年の間に、社会が求める医療の質は徐々に上がってきています。
薬剤も多様化しており、薬剤師が医師と一緒に患者さまの話を聞き、薬剤に関して意見を述べる必要性も高まってきています。
私はもともと外科医でしたが、在宅医療では皮膚科、泌尿器科、婦人科など、さまざまな分野の医療が関わってきます。
そんな時、薬剤師が横にいて各分野の薬剤や、その副作用、ジェネリックなどの専門知識を、的確に答えてくれると大変心強く思います。

長瀬執行役員:
私が薬剤師として、小倉先生の回診に同行した際、先生はいつも「どうしようか?」と優しく問いかけてくださいます。
このような柔らかい雰囲気のなかで、弊社の若い薬剤師たちも委縮することなく、先生に対して意見を述べることができているように思います。

小倉理事長:
多職種との連携において一番大切なことは、他の職種の方を委縮させないことだと考えています。
医師は医療のプロですが、薬学や看護のプロではありません。
わからないことは薬剤師や看護師に聞いて、ともに学ぶ姿勢を持ちながら一緒にチームをつくっていく。
それが正しいチーム医療のあり方だと思います。
みんなが意見を言いやすい雰囲気をつくり、患者さまにとって必要な医療を提供することが、医師としての私の使命です。

長瀬執行役員:
薬剤師としても在宅医療は大変勉強になります。
薬局では、患者さまが継続して来局されるとは限りません。
しかし、在宅医療では、長期的に一人の患者さまを診ることができるため、患者さまの疾患や一つ一つの薬について深く学ぶことができます。
また、多職種の方と協力することで、チーム医療の一員としての実感も生まれてきます。
たんぽぽ薬局の若手薬剤師には、このような現場体験を通して、患者さまへの対応や多職種との連携を学んでほしいと思います。

小倉理事長:
私も教科書で知識をつけるだけではなく、実際の現場を体験してもらうことが大切だと思います。
「在宅医療は医療の現場ではない」という方もなかにはいらっしゃいますが、今やそれは古い考え方です。現在では、エコーや心電図などの検査も在宅で可能になっています。
実際に体験してもらうと驚くと思いますよ。

薬剤師を目指す皆さんへ

小倉理事長:
特に薬剤師は仕事の幅が広がっている資格です。
広い視野で自分に今できることは何だろう?やりたいことは何だろう?と自問自答する、その延長線上に仕事があると考えてほしい。
そして、薬剤師は一生学び続けることができる素晴らしい仕事だということに気づいてほしいと思います。

長瀬執行役員:
私たち薬局薬剤師は、医療用医薬品と一般医薬品(OTC)のプロであり、地域医療に貢献するという役割も担っています。
薬剤師として働くことを考えている方も、ぜひ医師や看護師とともに、チーム医療の一員として地域の方の健康を支えていきませんか?

※こちらの記事をご覧いただいて、たんぽぽ薬局のことをもっと知りたいと思っていただけたら、ぜひ会社説明会へお越しください。

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