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管理栄養士コラム「春の食材~さやえんどう~」

管理栄養士コラム「春の食材~さやえんどう~」

今回は「さやえんどう」を取り上げます。
さやえんどうは、えんどうを若いうちに収穫し「さや」ごと食べるもののことを言います。その中でも特に小さいものを「絹さや」と呼んだりすることもあります。日本へは江戸時代にヨーロッパから伝わりましたが、普及したのは良質な品種が取り入れられた明治時代になってからです。

★さやえんどうの成長
さやえんどうは成長するまでの各過程で楽しめる食材です。成長時期ごとに、豆苗・スナップエンドウ・グリーンピースになります。
・グリーンピース …絹さやが完熟する前に収穫し、中の大きくなった「豆」を主に食べる。
・スナップエンドウ…グリーンピースをさやごと食べられるように品種改良され、欧米から輸入されたもの。
・豆苗      …えんどう豆の若い芽を収穫した中国野菜のひとつ。えんどうの風味が強いので炒めのものやスープなどに最適。

★栄養素について
さやえんどうは緑黄色野菜に分類され、栄養価が高いです。
老化を予防する「カロテン」、免疫力を高め風邪の予防になる「ビタミンC」、便秘の改善や整腸作用のある「食物繊維」が豊富です。
小さな豆部分にもエネルギー代謝や疲労回復に作用する「ビタミンB群」や「たんぱく質」、必須アミノ酸の「リジン」も含まれています。リジンは体の成長や修復に重要な役割を持ちます。集中力の向上や、カルシウム吸収促進の効果もあります。
また、うまみ成分の「グルタミン酸」を非常に多く含むことも特徴で、食べたときにうま味や甘味を感じるのはグルタミン酸によるものです。グルタミン酸には脳や神経の機能を活性化したり、尿の排泄を促す作用があります。

★選び方と保存
さやが鮮やかな緑色でツヤやハリがあり、中の豆が小さく目立たないもの、さや本体が板のように薄いものを選びましょう。また、さやえんどうの下についているひげが白くピンとしているのも新鮮な証拠です。
保存方法は、さやえんどうは鮮度が落ちるスピードが速いので、乾燥しないようにキッチンペーパーなどに包んでから保存用袋に入れて冷蔵庫の野菜室に保管するようにしましょう。1~2日が目安です。早めにゆでて新鮮でおいしいうちに食べきりましょう。冷凍保存する場合は、硬めに茹でて水気をしっかり切り、袋に入れて密閉します。

★調理方法
 絹さやえんどうは、さやごと食べます。「すじ」があると食感や味が悪くなります。そのため下ごしらえが大切です。さやえんどうのヘタの部分を手で折り、そのまま静かに引いて筋を取ります。たっぷりの熱湯にひとつまみの塩を入れ、短時間にさっと茹でます。鮮やかな緑色と歯触りの良さが特徴なので、茹で上がったら手早くざるなどに上げ、冷水にサッとくぐらせます。
ゆであがったものをそのまま食べるのも美味しいですが、食感がよく、ほのかな甘味があるので炒め物や和え物などでもとても美味しく食べることができます。

管理栄養士委員会 平林愛璃子

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