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管理栄養士コラム「秋の食材~里芋~」

管理栄養士コラム「秋の食材~里芋~」

今回は「里芋」を取り上げます。
里芋は通年出回っていますが、秋から冬にかけて旬を迎える食材です。十五夜には「芋名月」という別名があります。これは秋の食材である里芋を含めた芋類の収穫祝いと、感謝の気持ち・豊作の祈りを込めて、お供えをする風習からそのように呼ばれています。また里芋は親芋、子芋、孫芋と続くことから子孫繁栄の縁起物としてよく用いられます。

★栄養素とぬめりについて
里芋の主な栄養素は「カリウム」と「食物繊維」です。カリウムは前回のコラムでもご紹介しましたが、余分な塩分を排出するはたらきがあり、塩分の摂りすぎなどを調整することによって高血圧の予防などが期待できると言われています。また食物繊維には、里芋のぬめりの成分である”ガラクタン”があります。これらは水溶性食物繊維の一種であり、ガラクタンは免疫力を高め、血中のコレステロールの抑制、血圧降圧作用があると言われています。通常、体で分解されなかった糖分は脂肪に蓄積されますが、ガラクタンは体内で分解されず体外へ排出されます。

★かゆみ成分について
里芋を下処理する際に、手がかゆく感じることはありませんか?これは里芋に含まれる「シュウ酸カルシウム」という成分が原因です。シュウ酸カルシウムは小さな針状の結晶となっており、生の里芋のぬめりの中に存在しています。小さな針が皮膚に刺さることで、刺激を感じかゆくなるのです。かゆみを防ぐための対策としては、皮付きのまま加熱をする、酢水に浸けるなどが挙げられます。シュウ酸カルシウムは掻けば掻くほど小さな針が刺さりかゆみが増していくため、もしかゆくなったら石鹸でよく手を洗うなど、搔かないようにしましょう。

★選び方と保存
里芋の選び方のポイントは土付きで皮がしっとりと湿っているものです。ひび割れのしているものは乾燥・高温によって固くなってしまっていることが原因のため、よく見て触って選ぶことが大切です。形はふっくらと丸みがあり、縞模がくっきりついたものを選ぶようにしましょう。また保存方法としては、秋から冬にかけては常温で保管可能です。直射日光が当たらず、風通しの良い所がおすすめです。涼しい環境がない場合は湿度や温度が安定している野菜室で保管しましょう。そのまま入れると低温障害が起きたり、乾燥したりするため、ペーパータオルとビニール袋で包んで保管することがポイントです。

★調理方法
里芋の下処理方法は、アクを取り除くためにも皮は厚めに剥きます。里芋特有のぬめりがあるので、土を洗い流した後によく乾かすか、水気をふきとると剥きやすくなります。その後しっかりと塩もみをして水から茹でた後、水にさらし、適度にぬめりを落としてからの調理がおすすめです。里芋は低カロリーで栄養価が高く、煮物はもちろん、焼いたり汁物に入れたりさまざまな料理で活躍します。今が旬の里芋を、料理の1品に取り入れてみてはいかがですか?

(RDチーム委員会 中山映美)

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