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地域糖尿病療養指導士のコラム「低血糖について」

地域糖尿病療養指導士のコラム「低血糖について」

糖尿病治療の際、必ず注意しなければならないのが低血糖症状です。私も糖尿病の患者さんにお薬をお渡しするときには、毎回低血糖症状の有無を確認しています。
低血糖症状とは何でしょうか?一般的に血糖値が約70 mg/dL以下を低血糖症といいます。薬物の種類や量を変更した時、食事時間の遅れ、食事量(糖質)が普段より少ない場合、いつもより過剰な運動を長期的に続けたときなどに起きやすいです。

一例ですが、血糖値と低血糖症状の関係をお示しします。
80~110mg/dL 血糖コントロール良好
60~70 mg/dL 空腹感、あくび、悪心
50 mg/dL 無気力、倦怠感、計算力の低下
40 mg/dL 発汗(冷汗)、動悸(頻脈)、震え、顔面蒼白、紅潮
30mg/dL 意識不明、異常行動、けいれん、睡眠 

個人によって出る症状は違いますので、自分の出やすい症状を知ることが大切です。
自分の出やすい症状を知ることで、すぐ血糖値測定ができなくても疑うことができます。

低血糖時は、経口摂取が可能な場合は1回分としてブドウ糖(10g)、あるいはブドウ糖(10g)を含む飲料(150ml~200ml)を摂取します。ブドウ糖は、そのときの体調や運動量、個人差などにもよりますが、1g接種すると、1時間後に血糖値が約5 mg/dL上昇すると言われています。10gで約50mg/dL上昇する計算です。一方、ショ糖では少なくともブドウ糖の倍量(砂糖で20g)を摂取する必要があり、血糖値の上昇が遅延します。ですので、αーグルコシダーゼ阻害薬を服用中の患者さんは、必ずブドウ糖でなくてはなりません。
経口摂取が不可能な場合は、血糖を上昇させるホルモンであるグルカゴンを注射します。最近では、鼻から投与が可能な経鼻粉末剤も登場しました。

低血糖症状は慣れてくると自覚症状を感じにくくなり、運転中や作業中に起きると事故につながることもあります。低血糖症状がよく出ていたり、気になることがあれば早めに医療機関に相談しましょう。

(岐阜県糖尿病療養指導士 加藤 侑世)

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