管理栄養士コラム「春の食材~春キャベツ~」

 スーパーや市場などで一年中売られている野菜の中には、一定の季節になると「春」や「新」を頭につけて販売されるようになるものがあります。
春から初夏にかけて、「春キャベツ」や「新玉ねぎ」など、今の時期に特に美味しくなる新物野菜が多く出回ります。今回は、今の時期にしか味わえない「春キャベツ」についてご紹介します。

キャベツの栄養というとまず何を思い浮かべますか?整腸作用を有し、便秘改善に効果が期待できる食物繊維、風邪の予防や肌の調子を整えるビタミンCなどをよく耳にすると思います。キャベツにはいろいろな栄養が含まれていますが、特に注目して頂きたい成分はキャベツから発見された「キャベジン」というビタミン様物質です。キャベジンは、胃腸薬の成分にも使用されていて、ストレスといった要因から傷んだ胃壁を修復したり、胃の粘膜を保護する働きがあります。そのため、胃炎や胃潰瘍の予防に効果的で、胃の弱い人には特に強い味方になってくれる成分です。
キャベツに含まれるキャベジンやビタミンCは水溶性のため、水で洗いすぎたりすると栄養が流れてしまいます。春キャベツは柔らかいので、軽く洗い生のままサラダにして食べることで効率よく栄養を摂取することができます。

★キャベツの選び方と保存
 春キャベツは葉の緑が濃く、巻きのゆるいふんわりとしたものを選びましょう。また、芯の切り口は小さめで、全体的にハリとつやがあるものがおすすめです(ちなみに冬キャベツは、葉がしっかりと巻かれていて重量感のあるものがよいです)。
キャベツを丸ごと保存する場合は芯をくり抜き、代わりに水で濡らしたキッチンペーパーを詰めてください。軽く閉めたポリ袋にいれ、芯があった部分を下に向けて野菜室へ。カットした場合は、断面が空気に触れて水分が蒸発してしまうことで鮮度がおちてしまうので、濡らしたキッチンペーパーなどでしっかり包み、野菜室で保存して下さい。
春キャベツは傷みやすいため、冷蔵保存した場合は1~2週間を目安に使い切りましょう。

(たんぽぽ薬局管理栄養士 中村奈七美)

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