管理栄養士コラム「秋の食材~栗~」

今回は「栗」を取り上げます。
秋の味覚として有名な栗は栄養価が高く、焼き栗、炊き込みご飯、栗きんとん等おかずとしてもスイーツとしても幅広く使用できる食材です。

★栄養素について
栗に含まれている栄養素の中でも、代表的なものを5つご紹介します。
1-ビタミンB1
  糖の代謝を助ける働きがあります。
  ほかにも疲労回復や、神経、筋肉の機能を正常に保つ働きを持っています。
2-タンニン
  栗の渋皮部分に含まれています。抗酸化作用があり、血管が老化によって硬くなる動脈硬化対策にも注目されている成分です。
  老化やがんの予防などに役立つとされています。
3-ビタミンC
  抗酸化作用があり、肌の新陳代謝をサポートする栄養素です。
  ニキビや肌荒れなどをケアしてくれるため、健康にも美容にもおすすめです。
4-食物繊維
  便秘の解消をはじめとする整腸効果があるだけでなく、血糖値の急激な上昇を抑制する効果があると言われています。
5-カリウム
  ナトリウムを排泄する働きがあるため、塩分をとりすぎたときや、立ち仕事による足のむくみなどに悩んでいる方におすすめです。

★選び方と保存
鬼皮(外側の茶色くて固い皮)にハリとツヤがあるもの、形はふっくらとして、丸みのあるものが良いとされています。火を通す前の栗は乾燥しやすく、そのまま置いておくと風味が抜けて中身がやせてしまいます。また、虫がつくことを防ぐためビニール袋などに入れ冷蔵庫で保存することをおすすめします。
加熱後は冷蔵庫で約1~2日、冷凍庫で約1ヶ月保存可能です。

★調理方法
栗の下ごしらえは、まず水につけておくことから始めます。アクが抜けるうえに、鬼皮がやわらかくなってむきやすくなります。虫に食われていたり、中身がやせていたりする栗は、水につけたときに浮いてくることが多いので、選別の目安にもなります。
茹でる場合は、塩を入れると甘味を引き出すことが出来ます。茹で上がったらそのままゆで汁に漬けて自然に冷ましておくと、塩の効果でアクが抜けてより栗が美味しくなるだけでなく、ふっくらしっとりと仕上がります。
塩味を付けたくない場合は、塩を入れずに茹でたり蒸したりする調理方法がおすすめです。

管理栄養士 淺野綾子

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