管理栄養士コラム「春の食材~いちご~」

今回は「いちご」を取り上げます。
いちごの表面にあるツブツブは種ではなく、ひとつひとつが果実です。それぞれのツブツブの中に種が入っており、一粒のいちごは200個から300個の果実が集まった「集合果」です。私たちが果実だと思って食べている甘い部分は、実際は茎の先端の花床が膨らんだ偽果なのです。

★栄養素について
いちごには栄養成分がたっぷり含まれており、特にビタミンCやポリフェノールの一種であるアントシアニンが豊富です。
ビタミンCは、風邪の予防効果や疲労回復におすすめです。コラーゲンの生成を促進してくれるので美肌作りにも欠かせません。いちごに含まれるビタミンCは、オレンジやみかんよりも多く果物の中でトップクラスです。
アントシアニンには抗酸化作用があり、活性酸素の働きを抑えてくれるのでアンチエイジングに期待ができます。アントシアニンは視力回復や眼の疲れにも良いと言われています。

★選び方と保存
果実全体が鮮やかな赤色に染まっており、果皮にハリとツヤがあるものを選びましょう。
また、ツブツブがくっきりしていて、ヘタがピンとして、しおれていないこともポイントです。
保存する際はパックから出し、重ならないようにポリ袋などに入れて、冷蔵庫で保存しましょう。へたを取ってから洗うと水っぽくなり、ビタミンCが流れ出やすくなってしまうため、いちごを洗うときはへたをつけたまま食べる直前に洗うのがおすすめです。

★調理方法
いちごに含まれる栄養素のなかで特に多いビタミンCは、水溶性ビタミンで熱に弱く壊れやすい特徴があります。ビタミンCを効率よく摂取するためには、生のまま食べるほか、スムージーやシャーベットなど加熱をせずに食べるのがおすすめです。スムージーなどを作るときは一度冷凍してから作ると生のいちごを使用するよりもなめらかな食感に仕上がります。

管理栄養士 安藤 萌夏

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