管理栄養士コラム「秋の食材~にんじん~」

今回は「にんじん」を取り上げます。

★栄養素について
にんじんには、β-カロテン、食物繊維、カリウムが多く含まれています。β-カロテンには抗酸化作用があり、動脈硬化や細胞の老化予防に役立つとされています。また、β-カロテンは緑黄色野菜に多く含まれる色素で、体内で必要量に応じてビタミンAに変化します。ビタミンAは、皮膚や粘膜を丈夫にし、免疫力を高める効果が期待できます。
β-カロテンは皮の近くに多く含まれているため、にんじんを調理する際は皮ごと使用するか、なるべく皮を薄く剥くように心掛けましょう。

★選び方と保存
皮のオレンジ色が濃く、鮮やかなものを選びましょう。色が薄く、褪せているものは味が落ちている可能性があります。また、葉の付け根の断面が小さいもののほうが濃い味わいとなっています。ひげ根が生えていたり、軸の部分から芽がでていたりするものは鮮度が落ちていますので、避けるようにしましょう。ぜひこれらの点を意識して美味しいにんじんを選んでみてくださいね。
にんじんは、涼しい秋・冬は常温で保存できます。湿気と乾燥に弱いため、キッチンペーパーや新聞紙などで包み保存しましょう。夏は冷蔵庫での保存がおすすめです。キッチンペーパーや新聞紙などで包んでジッパー付きの袋に入れて保存しましょう。使いかけの場合は、乾燥を避けるためにラップでぴったりと包んで、ジッパー付きの袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。

★調理方法
にんじんに豊富に含まれるβ-カロテンは、油に溶けやすい性質を持っています。そのため、油と一緒に摂取することで吸収率が高まります。生で食べるよりもバターや油で炒めると、効率よく摂取することができます。にんじんは料理に彩りを添えるだけでなく、ラぺやグラッセといった副菜から、煮込み料理、キャロットケーキなどの菓子まで、幅広い料理で活躍する野菜です。

管理栄養士 阿部 なつみ

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