管理栄養士コラム「春の食材~サワラ~」

今回は「サワラ」を取り上げます。
サワラはスズキ目、サバ科の海水魚です。サバの仲間ではありますが、青魚特有の濃厚な味わいとは少し違い、クセがなく上品な味わいが特徴です。
成長するに従って、サゴシ・ナギ・サワラと呼び名が変わる出世魚でもあり、体長が60cm以上になるとサワラと呼ばれるようになります。

★栄養素について 
サワラは多くの栄養素を含んでおり、特にたんぱく質、脂質、ビタミンD、カリウムが豊富です。
また、不飽和脂肪酸の割合が高く、青魚に多く含まれるDHAやEPAも多く含まれています。これらには、中性脂肪やコレステロールを減らしたり、血栓ができるのを防ぎ、血液の流れを改善したりする効果が期待できます。
ビタミンDには、カルシウムの吸収を促進し歯や骨を丈夫にする働きがあります。また、免疫力を高める重要な役割も担っているため、不足しないように注意しましょう。
カリウムはナトリウムの排泄を促進するため、高血圧の予防につながります。

★選び方と保存
目が澄んでいて、エラは鮮やかな赤色のものを選びましょう。また、身が締まっており、背の斑点が鮮明なものが新鮮な証拠です。切り身の場合は、ツヤがあり水分が出ていないものを選びましょう。
保存する際は、頭と内臓を取り除き、きれいに洗ってから水気を拭き取り、ラップに包みます。さらにビニール袋に入れて、冷蔵または冷凍しましょう。

★調理方法
サワラは淡泊でくせのない味のため、刺身から煮つけまで様々な料理に適しています。下処理として、塩や酒をふって30分ほど置き、出てきた水分をキッチンペーパーで取り除くと臭みが取れます。また、身のやわらかい魚なので塩をふることで身が締まって扱いやすくなります。
サワラに豊富に含まれるDHAは、熱を加えると脂肪とともに流れ出してしまうため、サワラ汁やホイル焼きなどの脂をなるべく逃がさないような調理方法がおすすめです。

管理栄養士 浅井 美吹

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